2014年1月2日木曜日

心機能について思うこと(4)~若き循環器医へ~

右室は必要でしょうか?どうして必要なのでしょうか?

右室は健常人ではなくてもいいと思います。

右室がいるかいらないかは、右室がないときに左室が代用できるか考えるとわかりやすい。たとえば平均大動脈圧を120mmHgとすると、健常人では約1/6が肺動脈圧だから20mmHg。第2回目のシェーマで、右室を除くと血管抵抗は直列だから、左室は平均血圧140mmHgに対して駆出しなくてはいけないけど、それは可能である。中心静脈圧は容量が2倍になるけどそれくらいの前負荷には耐えられる。つまり、なくてもそうは困らない。

左室の収縮不全があるときは、後負荷の上昇に対して、拡張末期圧が上がるため、前負荷の増大に左室が耐えられない。また、肺高血圧症にて肺動脈圧が100mmHgになったとすると、左室は平均血圧220mmHgに対して駆出を行わなければいけないので、左室拡張末期容積の増大、拡張末期圧の上昇がみられる。その状態で、前負荷の倍増は耐えられない。

いづれにしても、中心静脈圧の上昇がcriticalな問題となると思われる。このようなシツエーションでは、右室が中心静脈圧を分担してもらう必要が生じる。


次回は、右室の特徴について述べる。

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