日本の今後10年の医療の方向性を示す、健康日本21では、COPDを始めて、心血管病や糖尿病と同じくらい重要な疾患であると位置づけました。
国民への認知度を増やしましょうということになりました。
COPDというのは、タバコ害による病気で、循環器の患者さんの20%くらいに認められます。咳、痰、息切れが主症状で、呼吸器疾患のように思われますが、それだけではありません。
私も下記の雑誌に執筆しておりますが、今後は高血圧や糖尿病と同様に扱われる疾患で、動脈硬化も起こす全身病です。
周りの方で、咳、痰、息切れがある方には、是非受診をお勧めください。早期発見、早期治療です。
タバコはくれぐれも注意してください。
2014年2月22日土曜日
2014年2月13日木曜日
インフルエンザ測定器
インフルエンザは猛威を振るっています。早期発見早期治療が重要であるが、2月になると微熱型のインフルエンザが流行りだします。インフルエンザ簡易測定器では判断がつかない場合も多く、困る場合も多かったのが事実です。臨床症状でインフルエンザと診断もできますが、学生は症状がなくても発症から5日休まないといけないので、家族の負担も大きいので、グレーな診断は困ります。
そこで、新しいインフルエンザ測定器を購入しました。
http://influlab.jp/
16倍まで感度を上げるので、少ないウイルス量でも捕まえることができる。
実際、微熱の患者さんや、家族がインフルエンザに罹っているが悪感だけあり熱のない患者さんのインフルエンザも見つかり、スタッフともども感心しています。科学の進歩は素晴らしい。
そこで、新しいインフルエンザ測定器を購入しました。
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16倍まで感度を上げるので、少ないウイルス量でも捕まえることができる。
実際、微熱の患者さんや、家族がインフルエンザに罹っているが悪感だけあり熱のない患者さんのインフルエンザも見つかり、スタッフともども感心しています。科学の進歩は素晴らしい。
2014年2月9日日曜日
心機能について思うこと(11)~若き循環器医へ~
そろそろ収縮能のお話をします。少し難しくなります。
臨床上、何が一番いい収縮能の指標だと思いますか。前にお話ししたように、心駆出率(Ejection Fraction:EF)は収縮能の指標としては、弱すぎますよね。
私は、左室圧容積関係を得意技としているので、左室収縮末期エラスタンス(end-systolic elastance:Ees)と言いたいところですが、私はpreload-recruitable stroke work(SW) だと思います。
心収縮能を考える時、何が重要か考えてみましょう。収縮能といったときに何を指しているのか考えないと、話が食い違っていきます。
1)心筋固有のの収縮力(myocardial contractility)、2)左室という球体としての収縮能(ventricular contractility)、3)与えられた前負荷に対してどれだけ血液を送り出せるかというと心機能(ventricular function)、4)心臓をポンプとして考えた時どれだけ血液をだせるかという能力(ventricular performance)の何を指しているか頭で明確になっていないといけません。
Myocardial contractionは単離心筋や乳頭筋を用いてどれだけ縮むかみることで求められます。
Ventricular contractilityは心カテの時に取るpositive dp/dtとか、左室圧容積関係から求める収縮末期圧容積関係(end-systolic elastance, Ees)あるいはEmaxで求められます。EesあるいはEmaxは左室前負荷、後負荷の影響を受けない指標で大変有用です。Emaxは左室圧と容積の積分値のmaxを求めるので、求めづらく最近はEesを用いるのが主流です。この指標は、左室固有の硬さを反映するので、左室の容量が小さいと大きく出るという欠点があります。拡張不全の患者においては数値はsupernormalとなります。同一個体の収縮力の変化に対しては鋭敏ですが、個体間評価においては限界があります。
Ventricular functionは、前負荷に対し左室がどれだけ力を発揮できるかという指標で、臨床的に重要な我々が知りたい収縮能というと、これが一番いわゆる左室の収縮能を反映するのではないかと思います。前負荷を変化させた時のdP/dtの変化(preload-recruitable dP/dt)か、前負荷を変化させた時のSWの変化(preload-recruitable SW)ということになります。ただ、求めにくい指標なので臨床上用いるのは極めて難しいです。しかし、この数値はかなり鋭敏に左室のventricular functionを反映します。そこで、EFやstrainやmitral annulo velocityの様な簡易なparameterで代用されるわけです。EFが悪いと言っているわけではなく、意味と限界を知って欲しいと思っております。
Ventricular performanceはSWや一回拍出量(stroke volume)で求められます。臨床上、最も必要なのはSVだというのは、個体を維持するために最も必要な心機能を反映する指標だからです。
たとえば、左室非同期運動があれば、myocardial contractionはいいですが、ventricular function/performanceは落ちています。
繰り返しになりますが、何を見ているかが重要です。
臨床上、何が一番いい収縮能の指標だと思いますか。前にお話ししたように、心駆出率(Ejection Fraction:EF)は収縮能の指標としては、弱すぎますよね。
私は、左室圧容積関係を得意技としているので、左室収縮末期エラスタンス(end-systolic elastance:Ees)と言いたいところですが、私はpreload-recruitable stroke work(SW) だと思います。
心収縮能を考える時、何が重要か考えてみましょう。収縮能といったときに何を指しているのか考えないと、話が食い違っていきます。
1)心筋固有のの収縮力(myocardial contractility)、2)左室という球体としての収縮能(ventricular contractility)、3)与えられた前負荷に対してどれだけ血液を送り出せるかというと心機能(ventricular function)、4)心臓をポンプとして考えた時どれだけ血液をだせるかという能力(ventricular performance)の何を指しているか頭で明確になっていないといけません。
Myocardial contractionは単離心筋や乳頭筋を用いてどれだけ縮むかみることで求められます。
Ventricular contractilityは心カテの時に取るpositive dp/dtとか、左室圧容積関係から求める収縮末期圧容積関係(end-systolic elastance, Ees)あるいはEmaxで求められます。EesあるいはEmaxは左室前負荷、後負荷の影響を受けない指標で大変有用です。Emaxは左室圧と容積の積分値のmaxを求めるので、求めづらく最近はEesを用いるのが主流です。この指標は、左室固有の硬さを反映するので、左室の容量が小さいと大きく出るという欠点があります。拡張不全の患者においては数値はsupernormalとなります。同一個体の収縮力の変化に対しては鋭敏ですが、個体間評価においては限界があります。
Ventricular functionは、前負荷に対し左室がどれだけ力を発揮できるかという指標で、臨床的に重要な我々が知りたい収縮能というと、これが一番いわゆる左室の収縮能を反映するのではないかと思います。前負荷を変化させた時のdP/dtの変化(preload-recruitable dP/dt)か、前負荷を変化させた時のSWの変化(preload-recruitable SW)ということになります。ただ、求めにくい指標なので臨床上用いるのは極めて難しいです。しかし、この数値はかなり鋭敏に左室のventricular functionを反映します。そこで、EFやstrainやmitral annulo velocityの様な簡易なparameterで代用されるわけです。EFが悪いと言っているわけではなく、意味と限界を知って欲しいと思っております。
Ventricular performanceはSWや一回拍出量(stroke volume)で求められます。臨床上、最も必要なのはSVだというのは、個体を維持するために最も必要な心機能を反映する指標だからです。
たとえば、左室非同期運動があれば、myocardial contractionはいいですが、ventricular function/performanceは落ちています。
繰り返しになりますが、何を見ているかが重要です。
2014年2月8日土曜日
衣笠さんと講演
今日は、午前中の診療後、大雪の中東京で、衣笠さんと一緒に講演しました。
彼とは二回目のコラボですが、本当にいい人です。プロとしての考え方がよく似ていて、いいコンビかなと思います。目的をはっきりとする、患者さんに対してもいつも思っています。
私は、心不全患者さんをたくさん診てきましたが、心不全になってから治療するより、心不全にならないように予防する方が、どれほど患者さんにとって楽かと思います。高血圧、糖尿病、脂質異常症、COPDの治療は全部心臓病、脳血管病予防のためです。ゴールをはっきり見据えて治療にあたりたいと思っています。
私は、心不全患者さんをたくさん診てきましたが、心不全になってから治療するより、心不全にならないように予防する方が、どれほど患者さんにとって楽かと思います。高血圧、糖尿病、脂質異常症、COPDの治療は全部心臓病、脳血管病予防のためです。ゴールをはっきり見据えて治療にあたりたいと思っています。
2014年2月5日水曜日
テキーラ
今は慣れましたが、もともと大勢の前でお話をするとか、知らない人とお話をするのが得意ではありません。小さい頃は極度の恥ずかしがり屋で親の後ろに隠れているような性格でした。大学で研究を始めて、留学先の恩師リトル教授に、「研究者はセールスマンだ。自分の研究を売ってこい。」と言われ続けて、自分の哲学、主張を正しいものにするには、人前で話さないといけないといけないと思いました。しかし、もって生まれた性格は変わらず、客観的に自分を演じるようにすると、少し楽になりました。今でいうキャラを作って人前にでるみたいな感じです。とは言っても、500人以上の前で講演をしたり、英語で講演をしたりすると、その場はキャラの自分が落ち着いていますが、前日はひどい嘔気がおそってきて、講演後は妙に一人になりたくなります。そして、ホテルのBarでクールダウンします。時折、ぼーっと意味のない話をしている感覚って、海辺と似ているんですよね。
今日は、テキーラのお話し。テキーラというとミックジャガーが広めたテキーラ サンライズが有名で、カーンと一気飲みみたいなイメージが強いけど、実はロックでウイスキーみたいに飲むお酒です。芳醇な香りがして、ゆっくり楽しめます。サボテンで作られていると勘違いしているひとが多いけど、アガベという植物の葉を切るとパイナップルみたいな形のができて、それから作られるそうです。是非、お試しを。結構強いですから、弱い方にはおすすめできません。
2014年2月2日日曜日
心機能について思うこと(10)~若き循環器医へ~
今日はloading sequenceという少しマニアックな話をします。
反射波の左室に対する影響ってご存知ですか?左室から駆出された血液の波動は、主にbifurcationのところで跳ね返ってきて、左室の拡張期に大動脈弁に到達します。末梢血管が強く締まった状態や、大動脈の動脈硬化で大動脈コンプライアンスが低下し、収縮末期に左室に波動が帰ってきます。左室は収縮を終わろうとしているのに、波動が帰ってくるため、収縮時間が延びてしまい、鏡面像である拡張時間も延びます。すなわち、左室弛緩の延長が起こるわけです。
専門用語でいうと、左心室の収縮のパワーがearly
systoleからlate systoleに移動し、左室弛緩が延長します。この左室の駆出様式の変化をloading
sequenceの変化と言います。左室の弛緩が延長するだけではなく、左室の収縮は等容性収縮期にエネルギーが規定されているため、収縮後期にパワーがいると、かなりエネルギー効率が悪くなります。Loading sequenceの増悪に影響を与える因子は、左室収縮力の低下、末梢血管抵抗の増大、大動脈コンプライアンスの低下、大動脈の長径が短いこと、心拍数の低下が当てはまります。これって、高齢女性の拡張不全のprofileに似ていませんか?これを大動脈側から見た概念が中心血圧です。我々は左室側から見ますけどね。
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