2016年6月26日日曜日

プレゼンテーションについて思うこと(1)~若き循環器医へ~

年間100本以上の医師向けの講演を行っており、開業して7年で800本の講演を行っています。

僕の講演スタイルは独特で、30分の講演で60枚、50分の講演でスライド120枚使います。Web講演や英語での講演では、30分で50枚スライドを使います。早口ですので、わかりにくいとよく叱責されますが、プレゼンテーションの仕方についてよく若い医師から尋ねられます。

僕はプレゼンテーションは留学先の恩師Bill Little先生から教わりました。そして、心不全のフィールドでの戦友である猪又先生から、「大西先生、プレゼンテーションなめてる。」と、注意を受けて、また恩人である大手教授から、「論文を書くだけではなく、プレゼンテーションしなくては生き残れない。」と諭されて、プレゼンテーションについて思考し、自分のスタイルを確立しました。

正しいかどうか、また役に立つかどうかわかりませんが、参考になればと思います。

まづ初めに、プレゼンテーションとは何かということから、考えていきたいと思います。

プレゼンテーションとは、自分の哲学に基づいて再構築された情報を、いかに責任をもって聴衆に伝えるかということだと思います。最近は、昔と違って、ほとんどの情報がネットで簡単に取れます。わざわざ来ていただいている聴衆の時間は無料ではありません。貴重な時間を奪う権利はありません。来ていただいた聴衆を満足させるためには、十分な準備が必要です。ひとり予演会をせずに、話すことはありません。自分の話しやすい言葉と、書かれた言葉とは違うので、必ず事前に練習が必要です。直前にスライドを作っても話せますが、事前にひとり予演会とう準備をルーチンでしておいたほうが、よりよいパフォーマンスがでる場合が多いです。大学院生達には、原則発表2日前までのスライドの完成を義務付けていました。

では、プレゼンテーションで最も重要なことはなんでしょうか?

それは、時間を守ることです。8時半までと聞いていたからきたのに、押してしまって後半が聞けなかったという聴衆がいるかもしれません。時間が押しているのを見ると、準備不足だなという評価を演者に僕はします。

大きな会になればなるほど、時間厳守は重要です。入念に準備はしましょう。

新書

久しぶりにブログ更新です。

心臓の病気には大きく分けて3つあります。車でたとえると、エンジンの調子が悪い状態
(心不全)、ガソリンがエンジンにちゃんと届かない状態(狭心症、心筋梗塞)、電気系統の異常(不整脈)の3つです。

心不全の原因にもいろいろありますが、これも大きく分けて3つあります。心筋梗塞で心臓の細胞がつぶれてしまいうまく動かない状態(虚血性心疾患)、心臓の4つの部屋を区別するドアの壊れた状態(弁膜症)、そして生まれつき心臓の細胞がうまく働かない状態(心筋症)です。

最近は、弁膜症による心不全は減ってきていますが、心臓の出口のドアが調子が悪い大動脈弁狭窄症は増えています。今回、これについての新書を刊行しました。


研修医や一般内科の医療関係者向けの本ですが、ご興味がある方は医学書扱いのある書店や、amazonなどネットで購入可能です。

2016年1月31日日曜日

ひさしぶりにブログ再開

みなさん、こんにちわ。うっかりブログを放置しておりました。遅ればせながら、今年もよろしくお願い申し上げます。今年は、1月から講演が多く、日常診療後、岩手→東京→福岡→高知→岡山→岩手→福岡→名古屋と3週間で回ってきました。運が悪いことに、行く場所行く場所大雪で思いやられます。高知では20年ぶりの雪だと言われ、瀬戸大橋が風で渡れないかもしれないと言われ、どきどきしましたが、深夜12時に岡山に着き、翌朝米原で新幹線が動かないという話で外来間に合わないので、車で4時間かけて津まで帰りました。そして、3日後の土曜日の診療後小牧から岩手に移動し、心不全の講演。夜のうちに東京まで移動しました。翌朝、10時から福岡で講演があるからです。朝起きると福岡が40年ぶりの大寒波による雪と風で欠航だらけ。日本循環器病学会の小川会長が仕切り。九州大学と北海道大学の併任教授筒井先生に座長の労を賜る大きな会のため、穴をあけることができず、熊本に降りる方法とか、広島に降りる方法とかいろいろ朝から考えたのですが、その便の方が早く欠航が決まり、神頼みしていたら、無事飛行機は飛んでくれて、面白いことにこういうストレス下の方が講演に切れがあるのですよね。東京から福岡に移動中の飛行機から朝日を浴びた富士山をみつけぱちり。神々しい。日本人は富士山大好きですね。僕も大好きです。

2015年10月24日土曜日

鹿児島にて講演

平成27年10月3日 鹿児島大学循環器内科大石教授からの依頼で、鹿児島循環器フォーラムという鹿児島県の循環器内科医が一斉に集まる会で、心不全の診断と治療の講演をさせて頂きました。今年、最南端の場所で、桜島を見下ろせる城山ホテルという素晴らしい会場でした。



露天風呂から桜島からの日の出が出る絶景でした。お風呂の写真は盗撮と思われるといけないので、残念ながらありません。



講演後、鹿児島大学の先生方と、地元の居酒屋に出かけたのですが、料理が甘口なので、芋焼酎にあうんですね。地鶏の刺身が美味しすぎて衝撃でした。地元の居酒屋が郷土料理を食べるのには一番ですね。

2015年9月27日日曜日

β遮断薬の講演

平成27年9月26日 午前の診察後、東京でβ遮断薬の講演会でお話をさせていただきました。

日本全国から、循環器の主に病院勤務の先生方に、心不全の極めて重要な治療薬のひとつであるβ遮断薬についてお話をさせていただきました。β遮断薬は当院でも、メインテートやアーチストといったお薬で処方しておりますが、心不全の進行を抑えるだけではなく、改善効果もあり、また、不整脈や突然死を抑える効果があります。

座長は、先週末横浜で開催された日本心臓病学会の大会長である東京医科大学循環器内科の山科先生が担当して下さりました。心臓病学会では、「心房細動の心機能に及ぼす影響」についてkeynote lectureをさせていただき、2025年に起こるであろう、心不全のパンデミックな状態にどう備えるかいうシンポジウムに、地域医療に携わる開業医の代表としてシンポジストとして、発言をする機会を頂いた、非常にお世話になっている先生です。(写真中央)


 
 
むかって左側は一緒に講演していただいた、心臓研究所の山下先生で、心房細動の著書も多数ある不整脈のバリバリの第一人者です。一流の先生達のご意見をうかがうことは、クリニックにおみえになる患者さん達に、かならず還元できると思います。

2015年9月24日木曜日

大阪大学大学院循環器内科で講義

平成27年9月16日 大阪大学大学院循環器内科の 重症心不全・ 移植専攻医育成プログラムで、招請教員として講義をさせて頂きました。最近、大阪大学は招請教員となるのは大変で、ありがたいことだと感謝しております。



大阪大学附属病院のなかにはスタバがあって、なんとなくおしゃれでうらやましいですけど、ウナギ屋さんとかもあって、東京とは一味違う感じ。。



講義風景です。循環器の医師向けにお話をさせて頂きましたが、みなさん熱心に聴講されていました。


 

 

 

 
お招きいただいた大阪大学大学院循環器内科の坂田教授。臨床医としても、人間としても素晴らしい先生です。


 

2015年9月17日木曜日

名古屋大学大学院にて講演

平成27年8月27日、名古屋大学大学院の大学院セミナーで講演をさせて頂きました。

心不全患者さんの心拍数はいくつに設定するのが望ましいかというお話を、心血行動態の観点からお話をいたしましたが、みなさん熱心で、さすが名古屋大学と感心しながら講義しておりました。

 
座長の名古屋大学大学院の室原教授は、いつも大変お世話になっている人間的にも学術的にも素晴らしい尊敬できる先生です。



 
クリニックの診療だけではなく、いろいろなところで講演することでさらに、クリニックの患者さんたちに新しい知識を提供できるのではないかと思っています。クリニックの当初からのコンセプトのひとつである大学病院レベルの医療をカジュアルに提供したいという目的にこれからも精進していきたいと思います。